神奈川県公立高校入試問題解説と普段からの対策
あっという間にこの日が来てしまったなといった感覚がします。
全国の中学三年生の皆様、お疲れ様でした。
当教室でも4名の高校受験生が前日まで頑張ってくれていました。
教室長なりに今年の神奈川県の入試問題を軽く解説してみましたので、お時間のある方は是非ご覧ください~~あくまでも主観ですので悪しからず。。。戸部藤棚教室での取り組みを含めた、普段からの対策案も載せているので少しでもご参考にして頂ければ嬉しいです。
【英語】~解説編~
リスニングは割愛させて頂きます。
問2は単語の意味等を問われる問題。(ア)はなぜ運ぶことができないのか。(イ)は釣りに行くことができる条件とは何か。(ウ)は学校でのスピーチ課題などにもこんな表現はあったはずです。
問3の(ア)は難しかったですね。For~が見えると完了形を選びたいですが、後半のwhenに気が付けると正答を選ぶことができます。(イ)のBさんは選ぶことが難しいほど好きなんでしょうね。(エ)はbyを含めた日本語訳に注目できると選べそうかな。
問4の並べ替え問題は難しいので一つポイントです。並び替えなければいけない( )の前後に注目してみましょう。それらに続く言葉はある程度決まってくるはずです。時制など動詞の形を気にしてみたり、そもそも( )の中で意味をつなげられるものもあるかもしれません。丸っきりゼロの状態から考えるのではなく、少しずつ選択肢を絞っていきながら考えてみましょう。
問5の英作文では間接疑問文の出題。主語と動詞をしっかり見極めて文章を組み上げていきたいです。指定の語をそのまま用いなければいけないので、文の形はある程度決まってくると思います。さらに質問の答えがその後に続くので、そこからイメージしていくのも戦略の一つだと思います。
問7の短文問題は読み取らなければいけない要素が増え、読み切るのに時間がかかってしまいそうです。問題文をまず確認して読んでいくようにしてみましょう。順番通り正しく読解していけば選択肢は自ずと減っていくので、印を付けながら読み進めてみましょう。
問6,問8の長文問題は共に読み取れさえすればグラフの問題が比較的わかりやすいので、丁寧に他の選択肢も考えられるようにすると全体的な正答率も上がりそうだなと感じました。設問を先に確認し、一気に読まずに分けるようにすると情報は整理しやすくなると思います。
【英語】~普段からの対策編~
英語に関しては長文問題とどう向き合うかが重要です。五科目全てに共通して言えることとして時間をどう配分するかといったことが挙げられます。この時間配分が特に重要になるのが英語と数学だと教室長は考えます。英語においては長文問題までにどのくらい時間を使うのか。そして長文問題自体にどのくらいの時間をかけるのかがとても大切です。教室での入試対策では、実際よりも短い時間で長文問題を解く練習をしていました。長文のために残しておく時間を決めておけば、心の余裕も生まれますし、前半の問題から頭を切り替えて長文に臨むことができます。また、時間制限を設けて行った長文演習の解説時に、「どこまで読むことができたか」を聞くようにしています。長文を最後まで読み切れない子の中には、特定の単語で詰まってしまう子もいれば、目は通せているのに訳しきれていないといった子もいます。1回1回の練習を大切にし、扱った文章を吸いきることで、読解の精度を高めることを目標としています。そこに上手な時間配分が合わさることで、安定した点数を望むことができるというわけです。1,2年生はまずは今学校で習っている単元を完璧にし、簡単な長文問題にも触れてみると良いと思います!
【数学】~解説編~
問1では失点をしないように注意しましょう。どの高校を狙う子たちもここだけは間違えてなるものか!といった強い心を持って臨んでください。
問2にも間違えてほしくない問題が続きます。3年生の分野が主ですので、こちらもスラスラと解いていけるよう練習が肝心です。
問3からは難しい問題も入ってきますので、問題の難易度や受験校と要相談です。(ア)は証明問題の条件や要素を当てはめていく問題になります。平行線の性質だったり、円周角の定理と混ぜられての出題になりますので、3年生で習う範囲がとても大切な事が分かりますね。(イ)では指導要領改訂によって中学二年生で習うこととなった箱ひげ図が去年のヒストグラムに続き出題されました。学校では一年間の最後の単元として習うので、学年末試験の範囲に含まれなかったりするんですよね…。これからやってくる春休みなどの長期休暇を利用して、データ分野を復習するのが◎です。
問4は関数の問題。関数はまず問題文に出てきた情報をグラフに書き込みましょう。問題文に書かれていない情報を計算などを通して明らかにしていく作業です。直線の式の求め方と座標の求め方が分かれば(ア)は解けますし、(イ)もそこまで難しい問題ではないと思います。(ウ)は時間もかかりますし難しいので、まずは(ア)と(イ)を完璧にすることを目標にしましょう。
問5は確率の問題です。問題文が長く、手順が複雑なので、ある程度時間を取り、じっくり文を読み込みましょう。例を特に参考にして考えてみるようにしましょう。
問6は空間図形の問題になります。三平方の定理を用いるパターンが多いので、三角形のどこを比べているのかをはっきりさせて考えましょう。最短距離の問題は展開図をイメージすることがポイントです。立体での形を崩さないように平面にし、そのまま立体に戻せるように頭の中で組み立てられればベストです。
特に問3の問題は難易度が上がったというか、かける時間が長くなってしまうように感じました。いかに効率よく解き進めるかが課題となりそうです。というより、全体的に1つ1つの問題にそれぞれ濃い計算が必要で、時間配分を特に意識するような問題だったなといった印象です。
【数学】~普段からの対策編~
先ほど挙げた英語よりも時間配分に注意しなくてはならない科目が数学です。教室長が思うに、数学は得点し得るところとそうでないところが顕著なので、過去問演習に入る前に志望校と相談した上で戦略を立てることが重要です。ただ解説編でもお話しましたが、問1と問2は失点をしないようにしましょう! 問1、問2が満点ならば40点弱取れます。得点し得る問題が限られている中での40点はとても大きいので、そういった意味でも確実に取れるようにしましょう!問1ならば2年生までの知識で答えられる問題が多いです。春休みにでも是非挑戦してみましょう。戸部藤棚教室では計算力を高めていくため、授業の最初に時間を計っての計算テストを実施している生徒も多いです。計算はやはり日頃の練習がものを言うと考えているので、小中学生問わず、過去の学年の内容もテストしています。スピードアップも思い出しもできるので大切にしたいと思っています。
問3以降の問題は難易度が高いものも多いので、どの大問にどのくらいの時間をかけるのかなどの作戦を立て、時間をかけてでも確実に取れるように練習しています。
苦手な単元が頭に思い浮かんでいるなら、まずは春休みまでにできるようにしよう!いつでもお待ちしています。何でも聞きに来てください!
さてここまで英語と数学に関して、普段の対策の中で時間配分を気にする練習ということを何度もお伝えしてきましたが、戸部藤棚教室では時間配分を上手にするための講座として「実戦トライアル」を取り入れています。実戦トライアルとは公立高校入試の模擬問題を用いて演習を行うのですが、通常50分で解く模擬問題を40分で解き、そのあとすぐに解説授業を実施する講座です。通常よりも10分も短い時間で過去問を解くので、1問にかけられる時間ももちろん短くなり、設問ごとにかけられる時間を嫌でも設定する必要があるため、かなり濃い演習になります。また、その後すぐに先生からの解説を受けられる点も利点で、疑問に思ったことを消化し切って授業を終えることができます。短くした分の10分は本番では見直しに充てられるので、うっかりミスのケアにもなります。実戦的な問題の中で時間の配分を考えて臨む機会は貴重だと思うので、模試などを受けてみて、時間配分にお困りの方は是非どうぞ!!
【国語】~解説編~
問一の漢字は選択での出題といったこともあり、難易度は控えめでした。詩の問題も選びやすかったかなと思います。
問二は小説文。「先生」「息子」「僕」のそれぞれの関係やお互いをどう思っているのかを意識して読み進められると良いと思います。選択肢を絞る際は間違っているものから判断するとうまくいきやすいです。長めの選択肢も区切って読んでみましょう。
問三の論説文の中に熟語の構成の問題がありました。論説文の中で文法を問うものは過去にもありましたが、熟語の構成を問うパターンはあまりなかったので若干面食らってしまいますね。「認識を固定化する」ことによっておこる弊害、それが常識になってしまう恐ろしさ、といったところを上手に読み取れると良さそうです。
問四の古典は注釈も多めで読みやすかった印象です。高校生の古典になると主語を明確にした上で文章を読み進めていきます。動作の主に注目してストーリーを追いかけてみましょう。
問五は資料の読み取り問題。(ア)は丁寧にデータを読み取ることが出来れば比較的得点はしやすいです。(イ)に関しては全体のまとめといったニュアンスが強いので、各人物や各データの要点を探し出してみましょう。ヒントは必ずあるはずです。
国語は全体的な難易度としては易しめな印象で、その中でも難しかった論説文での出来具合が総得点に影響してきそうです。
【国語】~普段からの対策編~
同じことばかりでうんざりかもしれませんが、国語は各問の制限時間を設けると良いと思います。国語は問一に漢字と詩、問二に小説文、問三に論説文、問四に古典、問五に資料読み取りの問題という並びになっているため、設問と内容が分かりやすく、制限時間は設けやすいのかなと思います。順番は年によって前後する可能性もありますが、目安としては小説文と論説文を合わせて30分で解くことを目指してみましょう。先ほどお知らせした「実戦トライアル」は国語も含めた5教科での受講が可能です。国語に関しては学校の授業で扱った文章がそのまま出題されることはほぼないので、模試等の問題を解くときに参考にしてみて下さい。漢字の問題は毎年そこそこ難易度が高いので、漢字自体を覚えるとともに語彙も一緒に増やしていくようにすると答えやすくなると思います!
【理科】~解説編~
問1は物理分野。(イ)はW[ワット]の計算方法を思い出して正答したい問題。(ウ)は「反対向きの同じ大きさの力で、2力間ではたらく」という作用・反作用の法則を思い出せるかどうか。
問2は化学分野。(イ)は少し複雑ですが、(ア)(ウ)は問題文の情報を整理して考えていきたいです。
問3は生物分野。(ア)は1年生の1章からの出題。新中1生の皆様、1年生の4月の範囲からも入試に出題があるのだぞ!!戸部藤棚教室で一緒に頑張ろう!!(イ)は難しめ。血液の循環の図を丸暗記するのは大変なので、それぞれの器官の役割をまずは確認しておこう。
問4は地学分野。(ア)はパッと見の複雑さに圧倒されそうですが、冷静に問題を読めばヒントはちゃんとあります。(ウ)は問題文一言目「春分」に注目。2ヵ月進むと日の長さはどうなるでしょうか…?
問5からは実験を交えた問題。問5は物理から磁界の問題。磁界は複雑で理解が難しいので、ここを得点できるかどうかが差になりそうです。(ア)は右ねじの法則、(イ)は力のつり合いがヒントになります。(ウ)はグラフの縦軸と横軸をよく見比べてみましょう。(エ)の問題はびっくりでした。変換効率自体は実は教科書に載っていましたがここまで押さえられていた人は多くないのではないでしょうか。力学的エネルギーの変換効率なので、位置エネルギーと運動エネルギーの関係に気付くことが出来れば、なんとかいけるかなとも思いますが難問だったと思います。
問6は化学分野の問題。(ア)(イ)はグラフを読み取った上での計算が必要なので考え方が分かっても時間がかかってしまう問題だなと感じました。(ウ)は酸化と還元がどういう現象なのかが分かれば、迷わず選べそうですね。(エ)は化学で頻出数合わせ問題。化学反応式前後で原子の数に偏りが出ないよう考えてみましょう。
問7は生物分野の光合成にまつわる実験の問題。とても良く出題されるタイプの問題ですね。こういった問題のポイントはズバリ何を確かめるための実験をしているのかを整理することです。葉にワセリンを塗るのは気孔をふさぐためですし、暗室に置くのは日光に当てないようにし、光合成をさせないためです。今回の問題では6つあった装置それぞれで“調べることができる事”、“調べることができない事”を考えて選択肢を吟味してみましょう。
問8は地学から地層の成り立ちについての問題。やはり入試の地学は問が細かく、難易度が高いような気がします。教科書記載の内容を細かく覚えていくことがやはり大切です。特に地層の問題は1年生で習う分野なので後回しにしてしまう受験生も多いんじゃないかな…
今年の入試問題は特に1,2年生分野からの出題がそこそこ多めにあったように感じます。理科と社会は難しめですし、苦手な子も多いので解説もしっかりめにやってみますが、知識としてカバーできる問題も少なくないので、日ごろからの学習でしっかりと頭に入れていき、試験直前に思い出して問題を解ける段階まで持っていければベストだと思います!
【理科】~普段からの対策編~
理科と社会に関してはやはり普段から抜けを作らないようにしておくのが重要です。入試直前に思い出そうとするとかなり大変なので、1年生のものは1年生の内に、2年生までのものは2年生の内に を合言葉に早い内からの準備に取り掛かりましょう。理科に関しては4分野を3年間で学びきるので、化学分野など学年間でつながりがあるものもあれば、地学や物理はあまりつながりがなく、分野として苦手・得意が出やすい科目とも言えます。苦手分野の克服はもちろん必要ですが、得意分野で失点をしないように勉強をすることも大切だと思います。そういったことを考える上でも、早い内からの準備をして、自分の得意分野と苦手分野を知っておくこと自体がまずは大切ですし、やっておくべきことの一つです。
【社会】~解説編~
問1は地図を用いた問題。いきなり大変な問題が来ます。(ア)のタイプはややこしいですが、選択肢にある農産物がどういった環境で良く育つのかや、その背景を考えてみましょう。オリーブは地中海性気候で育つイメージがありませんか?ある国の綿花を大量に仕入れて綿織物を大量に生産した国もありましたね。(イ)は地図の読み方の問題です。どこから見た地図なのかということと、目印になりそうな国や大陸を発見しておくのがコツです。(エ)のBの都市は恐らくブラジルです。ヨーロッパから南アメリカまで言語が伝わってきていることが分かりますね。(オ)は資料を読み取った上で適切でないものを選びます。迷いを捨てるために“適切でないもの”を見つけた時点で答えてしまうのも手ですね。
問2は資料を用いた日本地理の問題。単なる資料読み取り問題もあれば、読み取った上で知識を問う問題もありました。まずは資料を正しく正確に読み取ることを意識しましょう。細かい出題からひっかけまでありますので与えられた資料をまずは丁寧に読み込んでみて下さい。
問3は歴史の流れを「土地」をテーマにまとめた問題。(ア)政府側から農地を与えることがかなわなくなって、自力での開墾を促したのでしたね。(イ)仏教に関する問題は毎年出題率が高いような気がします。それぞれの宗派の開祖や概要を正確に頭に入れておきましょう。年代を問われるような問題は非常に難しいので、選択肢から基準となる出来事を発見するか、それができない場合は流れを考えて不自然にならないよう選びましょう。(ウ)で言えば、元軍が日本に攻めてきたのは鎌倉時代のことなので、それに気が付くだけでも鎌倉時代よりも前か後かという基準が一つ出来上がります。他の選択肢においても日本に伝わったキリスト教を後に保護することになる織田信長は室町幕府を滅ぼして政治の実権を握った。といった情報を整理することが大切です。
問4は近代の日本と外国との関わりに関する問題です。近代は出来事の間隔が詰まっているので混ざりやすいですが、こちらもやはり流れを考えることが重要です。(ウ)②の講和条約はサンフランシスコ平和条約です。それが分かっても難しめな問題ですが…該当しないものを切って判断しましょう。
問5は東京オリンピックを軸にした公民の問題。円高と円安の問題は頻出のテーマなのでその仕組みは必ず理解しておきましょう。(エ)の株に関する問題も良く出ている印象です。株の流通の仕組みや出所などを図などでまずは判断できるようにし、その上で覚えていきましょう。
問6は現代日本と公民の問題です。といっても各時代の文化からの出題や、世界史からの出題もあり、幅広い知識が問われる問題でした。衆議院や参議院、選挙の問題もよく見かけます。現代社会に関しては情報が日々アップデートされていくので、最新の情報を追うようにしてください。ただ裏を返せば「知っていれば解ける」ものが多いので、公民は直前までやっておいて損はないと思います!
問7は沖縄県についての問題。各県の話題から派生したテーマの問題はよく見かけますが、最近はテーマに挙げた県の特色等も詳しく問われているので、日本各地の気候や特徴もおさえておきましょう。
社会は問題によって細かい知識を求められるものもありますが、先程も述べたように「知っていれば解ける」ものも少なからずありますし、そこを確実に取るだけでも安定感が増すと思います。結果的に3年間の膨大な知識量を必要とされるので、早め早めの準備がカギです!3年生になってからじゃ大変だぞ!3年分は!
【社会】~普段からの対策編~
社会も早い内からの準備が重要です。特に1年生前期で習うような地理分野や歴史分野の最初の方は、学校ではもうその単元には戻らないといっても過言ではありません。ただでさえ複雑な内容が多いのに、学校の授業で習ってから年単位の間隔を空けてしまうと忘れてしまうのは当然です。以前学習した教科書のページを開くだけでも十分なのでできるだけ間を空けないようにしましょう。やはり理科と同様に、得意分野をまず見つけてそれをベースに考えましょう。地理・歴史・公民と明確に分野が3つに分かれているので、その中での苦手・得意は各々結構分かりやすくあると思います。「この中だったらこれが好きだな、興味があるな。」といった分野を発見し、得意なものはそのまま伸ばし、苦手なものは是非質問に来てください。
あとは社会分野に関しては現代社会との関わりを気にしてみるのも有効です。いま世界のある場所で起こっていることを知れば、その場所を知り、そこでの過去の出来事を知り、日本との文化的な違いを知ると、もう便宜上3分野の知識を得たことになります。ふと耳にしたニュースなどから社会分野の知識として関心を持てるように過ごしてみましょう!
長くなりましたが今年の入試問題を解説すると共に、教室長の感想や普段の戸部藤棚教室での取り組みに関してお伝えをしてみました。貴重なお時間を使ってここまでお読みいただき、誠にありがとうございました。
少しでも戸部藤棚教室にご興味を持ってくれた方は是非この機会に一度お電話orご来塾下さい!!いつでもお待ちしています!
※イベントやキャンペーンは教室ごとに異なります