大学入試 評定が学校により異なる場合の話
4月に入り大学入試・大学関係のニュースが多く報道されるようになっています。
今日現在の主なトピックは以下の通りです:
・東洋大が昨年実施の公募(学力テスト)を総合型にして11/30に試験実施。拓殖大学も英語外部検定試験利用可で実施予定。
・早めれば2029年から私立大学の学部学科新設の審査基準が厳格化される。現在の「定員充足率」が5割以下の学部が一つでもあれば新設を認めていないが7割以下に引き上げる。(2024年度入試で私大598校入学定員充足率が5割未満は43校(7%)、7割未満は113校(19%))
・千葉工大の入試志願者数が16万2,005人で過去最多を更新
・女子大の共学化(長野・清泉大学、東京家政学院大学)が広がる
・短大募集停止の増加
細かく拾っていくとまだまだ出てきますが私大は完全に生き残りをかけての対応を行い始めたといえます。
中堅以上の大学は総合型選抜から始まる年内入試は合格者を前年比で大きく増やすことはありません。
しいて言えば受験者が増えた分気持ち合格者を少し多く出す、これは一般選抜でもしっかり受験者を受け入れられるからです。
偏差値50以下になると様子は変わってきます。
大学によっては総合型の倍率が1.1倍と低いところはありますが、現時点で僕が調べている限りではおととしより志願者増の大学がほとんどです。
ここからが本題なのですが、教室でも毎年高校によって評定の付け方が甘い・厳しいの2つのパターンに分かれています。
同じ系列の私立高校でも「うちは評定を厳しくします」2年末に言われて生徒が苦労することはよくあります。
評定が厳しいと各大学の公募推薦基準値に達しないということが実際に起こります。
一方で評定がわりと甘めの高校は逆に基準値に達しやすいという状況になります。
自分で指導していて感じることは「本当の学力や入試対応能力は評定では測れない」ということです。
極論を言えば偏差値の高い高校とそうでない高校での評定平均値が同じ生徒の場合を考えると分かりやすいです。
当然どちらの生徒も頑張っているのですが、入試や各種テストを行った時に力の差が出やすいということです。
総合型選抜に関しては今述べた通り小論文・基礎学力テストなどでふるいにかけられることで評定が学校間で異なる問題は解決できますが、指定校推薦では高校と大学の信頼関係に基づいた制度であり評定基準を満たし校内選考で選ばれた人が入試に進めることになります。
指定校推薦入試の対策も教室で行っていますが、中堅以上の大学の問題はしっかり対策を行わないといけません。
ほとんど落ちることのない入試ですが落ちた人は知っていますので(うちの教室の生徒の同級生でした)、出願書類からしっかりと準備しないといけないということが分かります。
そして入学してからの各学年末の成績は出身高校に大学から送られていることはあまり知られていません。
近くの高校では指定校推薦のある大学から「指定校推薦で入学した生徒が下位に沈んでいる」とわざわざレター付きで指定校清泉枠を出しますよという書類を受け取ったそうです。
確かに調べてみると過去その大学学部では3枠だったものが一時期2枠に減りその後3枠に戻るなどしているのですが、そういった場合考えられることは「指定校推薦枠で入学した生徒が留年・退学した」場合に起きる現象です。
実際「大学に行ってからついて行けるかな」と心配な生徒がいることは事実です。
一般選抜で入学する人との学力差=学習量の差がありますので、大学の英語授業では事前にクラス分けを行い能力別授業にしているところも多くなっています。
教室の生徒にも「大学にっても英語は続けた方がいいんじゃない?」と言ったことがありますが、大学側もいろいろと考えての対応となっています。
おととし合格して現在大学2年の生徒さんからは「英語の学力差がすごいから年内入試で決まった人は英語しっかり勉強しておいた方がいいですよ」とアドバイスをいただいています。
個人の力は学力以外にも「考えて解決策を見つけ行動できる力」などもありますので学力が絶対ではありません。
逆に「考えて解決策を見つけ行動できる力」があれば学力も高めることができます。
高校生の皆さんがすぐに行いやすいことは「1週間の学習スケジュールを決めてバランスを考えながら行動に移すこと」です。
これだけでも十分頭を使いますし、良いトレーニングになりますよ。
※イベントやキャンペーンは教室ごとに異なります